一般的なWebデザイナーが持っているスキルでもSEとして転職する先は意外と多いです。昔でこそSE(システムエンジニア)はプログラマーしかなれない職種でしたが最近は少しずつ業界的な内情も変わってきています。理由としてはスマホの浸透で猛烈な勢いでIT業界に人が流れているからです。これだけスマホユーザーが増えてしまうと正直コンテンツ側が追いつきません。わかりやすく言えば「人の数 > コンテンツ」という状態になってきていて求人募集している会社もかなり多くなっています。

僕が普段仲良くさせてもらっているマーケティング会社もずっとSEの人材を募集していますが、他の求人に埋もれてしまってなかなか応募がないらしいです。求人数に対して働き手の数が足りていないのが実情なので正直、クリエイター側も「会社を選び放題の時代」になってきたように個人的には感じます。

前置きはさておき、WebデザイナーがSE(システムエンジニア)として転職する際に有効な技術はずばり「今現在業務に就いている内容そのもの」です。どういう意味かと言うと最近のSE(システムエンジニア)は、サイト設計書が作れると働けてしまう現場が山ほどあります。ここからは具体的な内容を解説させていただきますね。

厳密にはSEではない最近のSE事情

エンジニアあがりの社長が代表を勤めている会社でのSEや、大企業のSEだとプログラミング経験(C/Java/PHP)などのスキルや実務経験が問われます。しかし、一方で小さなベンチャー企業や、営業上がりの社長が代表が勤めている会社では一般的なWebデザイナーの知識(html/css/js)でも十分雇ってもらえる可能性があります。

これまでは一般的に、SEは「詳細設計」が書けないとほぼ働き口がありませんでした。しかし、数年前頃から「詳細設計」を使うようなウォーターフォール型の開発スタイルがほとんどなくなっていきました。理由は「詳細設計」を必須とするウォーターフォール型のプロジェクトだと少人数では赤字になる場合が多いからです。

数人しかいない状態で、機能追加のたびに、誰かが「詳細設計」に追記して、第三者がプログラミングをするスタンスは非効率すぎるわけです。そのため数年前頃からウォーターフォール型が採用されるプロジェクトは一気に少なくなってきました。詳細設計を使わない「アジャイル型」開発を採用するプロジェクトが増えてきたのです。

そして、最近では、SEという職種の概念自体も変わりつつあります。これは前回に「SEとして転職する際にぜひ会得しておきたいおすすめのWeb技術」でも触れました。要約して言えば、「エンジニア」が「プログラマー」を指す時代はもうすでに過ぎ去りかけていて、今はWebデザイナーも含めてすべてを一括りで「クリエイター」と呼んでいます。また、そのクリエイターを総称した呼び方が「ITエンジニア」という流れが出来上がりつつあります。

一般的には、見た目を作る(デザイン・コーディング・ワードプレス構築)のがWebデザイナー、より複雑な処理(データベース連携)を作るのがプログラマーというのがざっくりした線引きになりますが、最近はワードプレスでシステム構築まで完結できる場合もありますので、かなり線引きが曖昧になってきている印象です。

ワイヤーフレーム程度の設計書でもOK

正直、アジャイル型でプロジェクトを進める場合は、大した設計書は作りません。機能追加のたびにいちいち細かい機能を書き込んでいたら、プロジェクトの進む速度が遅くなるのは当然ですよね。最近では小規模なプロジェクトではGoogleドキュメントを使って簡単なメモ程度でおさえるプロジェクトも多くなってきました。

細かい詳細設計を実際に作ってきた「古参プログラマー」からすると少し悔しい話かもしれませんが、それが現実になりつつあります。

つまり最近はWebデザイナーとプログラマーの線引きがほとんどなくなってきていて、WebデザイナーでもSEとして働ける現場が山のようにあります。さらに細かく説明すると「ワードプレスが進化しすぎた背景」もあったりして、プログラマーとWebデザイナーの差がそれほど大きくなってきているのです。

最近では「ワードプレス」を触れるデザイナーさんもかなり多く、ワードプレスが「Webデザイナーの技術の底上げに一役買ってくれている」のも関係しています。

あと、WebデザイナーはhtmlやCSSを基礎から理解している人が多いですが、逆にプログラマーはhtmlやCSSを深く学んでいる人はあまりいません。その理由はWebデザイナーは検索エンジンにインデックスされるページを作るのでマークアップも細かく意識して業務をしますが、プログラマーは検索エンジンがやって来ない管理画面を作るので、マークアップを意識するよう求められる場面が少ないのも関係しています。Webデザイナーあがりの人はデザインもできて、マークアップもできて、CSSも書ける。それに最近のWebデザイナーなら「レスポンシブ」も抑えています。デザインからSEO対策までと知識の振り幅が広い点が重宝されるポイントになります。

Webデザイナーが対応できる範囲

ではここで念のため一般的なWebデザイナーが抑えている技術を再度まとめておきましょう。

・html
・CSS
・Javascript
・WordPress
・Mysql

簡単に補足していきます。htmlは4/5問いません。SEOを意識したマークアップができる(全部をdivで組んでしまうような人はまずい)方が良いです。レスポンシブはできる方が望ましいです。CSSは一般的な書き方ができればOKです。JavascriptはJqueryで一般的なライブラリが使える程度でOK。WordPressは販売されているテーマをインターネット上のナレッジを見ながらカスタマイズできる程度で構いません。Mysqlはレンタルサーバー上で作成してWordPressと接続できるレベルでOKです。

ざっくり上記の技術に対応できれば問題ありません。3年程度働いているWebデザイナーであれば(多少スキルの差はありますが)問題ないはずです。もし現段階でできなくてもこの程度であればどこかで格安のレンタルサーバー(Mixhost等)を借りて、設置テストやカスタムの練習をすれば半年もあれば身につけられるレベルです。

ただ、先述した通り、大手企業やエンジニアあがりの社長が代表をつとめているような会社では、複雑なデータベース案件をクライアントから受託しがちなので、Webデザイナーレベルのエンジニアリング力では通用しない場合もあります。ただ、そういった会社に入ると、身につく技術の範囲が狭かったりするので正直微妙です。

やはり将来の自分自身の道も考えて、htmlやCSSなどをがっつり理解できる環境がおすすめです。何年後かにはフリーになりたいといった視野もあればなおさらです。

まとめ

デザインが作れて、マークアップを意識したコーディングもできる、そしてJqueryもライブラリ程度なら導入できる、WordPressも簡単なカスタムなら問題ない、コマンドラインのMysqlはわからないけどレンタルサーバーのコントロールパネルからならDBを作成できる。このスキルがあれば現場によってはSEとして十分働けます。

エンジニアよりか、営業よりか、会社によっても度合いは変わってきますが、最近は起業ブームでもあるので小さなベンチャー企業だらけです。そんななかでデザインからWordPressまで触れるWebデザイナーが重宝されるのは意外と当たり前です。(でも当人ほどそういった需要は案外と見えていないのかもしれませんが。。。)

もしSEとして挑戦できる機会があれば、簡単な設計書も書けるようになりますので、転職後もどんどん希少性の高い人材になっていきます。実際、自分自身も数十社は転職をしてきましたが、マークアップに詳しいプログラマーは見かけたことがありません。もし仮にプログラマーが思いつきで「h1」など意味があるタグを使っても、CSSで文字サイズを調整しないといけないですし、そうなると結果的に「div」等(SEOを意識したマークアップとは程遠いタグ)ばかりをつかってしまうものです。

個人の時代と言われ、さらにスマートフォンの普及もあり、完全な人材不足となっているのは業界全体として事実です。

このチャンスにどのような新しい業界へ飛び込むかで、あなたの次のステップが決まります。最近では転職エージェントもたくさんありますし、当然エージェントにはあふれるくらいの仕事があります。Webデザイナーとしての技量があれば意外と仕事も選べます。転職エージェントを使う場合は、しっかり担当者と話して、転職活動に焦らずゆっくりとあなたの将来と照らし合わせながら良い現場を見つけてください。個人的なおすすめはマーケティング系の会社で募集している「エンジニア求人」です。

もちろん、面談では嘘も言わず、隠し事もせず、ありのままのあなたのスキルをしっかり話しておきましょう。営業あがりの社長はやる気のある人が大好きです。もしデータベース関連の案件が多い会社だっとしても「htmlもCSS言語も学んできた人材なら大丈夫!」とポテンシャルが評価されて採用につながる場合もあります。面談はコミュニケーションの場です。あなたの将来目指している目標と、会社が進みたい方向性が一致するような会社と出会えるまでじっくり転職活動に取り組みましょう。

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